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防音室づくりの基礎知識

防音室とは?性能評価や用途、適応楽器についても解説

自宅で楽器を演奏したりホームシアターを楽しんだりするのに必要となってくる防音室。防音室とは、音の強さを低減させる仕組みが施されている部屋のことを指します。

その遮音性能は防音室の仕様によって異なります。音を表す単位には、強さを表すdb(デシベル)、高低を表すHz(ヘルツ)があり、部屋の遮音性能は「Dr」、サッシやドアの遮音性能は「T値」で表します。

ここでは、防音の性能評価における基礎知識や防音室の用途・適応楽器、防音室でよくある不満と解決策について解説しています。

「完全防音」と「簡易防音」はどのように違うのか

完全防音とは、内側の音が外側に聞こえないということです。一方で、簡易防音とは、専門業者に依頼せずに、自分で設置や組み立てができる簡単な防音設備のことを指します。そして、完全防音と簡易防音の違いは、明確です。それは、「音を完全にシャットアウトできるか、できないか」の違いだということです。

「防音」「遮音」「吸音」の違いについて

防音とは、吸音・遮音・防振など、複数の要素が含まれています。遮音は、遮音材を使用することによって、音を遮るという防音方法で、吸音は多孔質の材料を使って音を吸収することです。防音をするときには、これらの遮音や吸音を組み合わせることによって、効果的に機能すると考えられています。

「防音ドア」とはどのようなものか

防音ドアは、構造物の振動を抑制することができます。密閉性を高めて、外と中の空気を遮断することによって、空気の振動である音の伝播を遮断してしまうのです。そのため、防音ドアは、ゴムパッキンなどを使用して、隙間をなくしています。素材もさまざまに工夫されていますので、普通のドアよりも大きな防音効果が期待できます。

マンション 防音工事

マンションは音漏れに対してシビアな環境です。楽器の演奏を楽しみたくても難しいことが多いでしょう。しかし、防音工事を行うことで楽器の演奏ができることはあります。マンションで防音工事をする際は、マンションの管理規約でリフォームが可能かどうかの確認が必要です。賃貸の場合、大家さんの承諾を得る必要があります。また、マンションには部屋の重さに制限があるため、遮音性の高い防音室は、2階以上には設置できません。

主な防音工事の種類と内容

防音工事は、「壁」「床」「天井」「窓」の4箇所がメインです。防音の目的にもよりますが、1箇所でも工事がかけた場合、防音効果は不完全になってしまいます。

壁には、遮音材と吸音材を併設するのが一般的。複数の層にして、高い防音効果を目指します。床の工事は、フローリングの下に遮音材を敷くかフローリング自体を遮音性能のあるものに変更します。天井の工事は、壁と同様、遮音材と吸音材です。窓は2重窓や高性能サッシの設置などをおこないます。

防音室にはどのようなタイプがあるのか?

防音室のタイプには、簡易タイプ・ユニットタイプ・自由設計タイプの3種類があります。簡易タイプは、音が小さい楽器演奏などに適しています。ユニットタイプには、定型タイプとフリータイプがあります。定型タイプは、部屋の中に設置する小部屋タイプの防音室です。フリータイプは、メーカーが用意した遮音パネルを組み立てて作ります。部屋の形状に合わせて組み立てられるのが特徴です。自由設計タイプは、大きな楽器の演奏に適しています。

防音室の窓

防音室には窓を作る必要はありません。しかし、閉塞感が苦手な場合は、窓を作り外の景色を見るだけでも開放的な気分になれます。防音室に窓を作る場合は、FIX窓が最適です。隙間がないので、音が漏れにくいです。開閉できるタイプの窓にもできますが、防音性能は下がります。また、防音には、防音ガラスに取り換えるより、二重窓が効果的です。防音室の窓は、FIX窓の二重窓にすると、防音効果を維持したまま窓が取り付けられます。

防音室の換気扇

防音室には、換気扇が必要です。気密性がとても高い防音室では、換気が上手くできず、酸素濃度が一定に保たれません。楽器を演奏したり歌を歌ったりすれば、どんどん酸素濃度が下がり、やがて酸欠になってしまいます。1帖の部屋を想定すると、酸欠リスクが発生するまで約3時間。窓やドアを開けていると、防音の意味がなくなります。酸欠回避はもちろん、ハウスダストやウイルスの排出のためにも、換気扇は取り付けましょう。

防音室のリフォーム

防音室のリフォームを行う場合、その目的によって費用が異なります。例えばピアノをひきたい、ドラムの練習をしたいなど用途に応じた防音対策が必要となるため、業者に相談してみると良いでしょう。また、マンションの場合には管理規約を確認してから工事を行うなど、防音室のリフォームを行う上ではさまざまな注意点があります。

防音室の構造

防音室を作る上では、天井や床、壁に対する防音対策が必要です。さらに、防音性能を考える際には音を吸収して外へ伝わることを防ぐ「吸音」と、音を遮ることで音の伝わりを防ぐ「遮音」についてあらかじめ理解しておく必要があるといえるでしょう。また、防音対策を行うには、防音室そのものを作る方法に加えて簡易の防音室を部屋に置くという方法もあります。

戸建て物件の防音室

防音室を作る方法としては、「ユニットタイプ」と「フリータイプ」の2種類がありますが、戸建て物件の場合にはフリータイプの方がおすすめです。防音室のプランニングを行う上では、どのような目的で防音室を使うのか、部屋の中にどのようなものを使用するのかといった点でもかなり変わってきますので、あらかじめしっかりと検討して置く必要があります。

防音室の湿気対策

楽器の大敵は乾燥と言われますが、同じ程度に湿気も大敵です。湿気の多い防音室に楽器を置きっぱなしにすると、本体の劣化や音の劣化が進んでしまうので注意が必要です。

ちなみに楽器にとって理想的な湿度は50%前後。一方で、日本の年間平均湿度は60~70%。楽器保全のためには、乾燥対策よりも湿気対策を行うほうが合理的です。

防音室の床

防音対策として、すぐに頭に浮かぶ方法が壁や天井の防音。もちろん、マンションなどにおいては壁や天井の防音は必須なのですが、特に床に接する楽器を演奏する方は、床面の防音対策も忘れてはいけません。

一般住宅用の床の上に、音漏れ・振動漏れを防止するための防音ゴムや石膏ボード、遮音シートなどを設置して床の防音対策を行います。

防音室の暑さ対策について

遮音性の高い防音室では、熱中症予防や機材の劣化予防のために暑さ対策が必須。すぐにできる暑さ対策としては、扇風機やサーキュレーターの使用、定期的な換気、白熱電球からLED照明への変更が有効ですが、問題の根本的な解決のためには、防音室にエアコンを設置することが最も有効です。

専門業者に依頼すれば、遮音性を維持したままエアコンを後付けすることが可能です。

防音室の寒さ対策について

防音室の寒さ対策として石油ストーブやガスストーブを用いることは、一酸化炭素中毒の恐れがあるので厳禁です。また、放射熱を利用する電気ストーブは、気温よりも先に楽器がダイレクトで温められてしまうため、おすすめできません。

理想はエアコンを後付けする方法ですが、一般的な施工方法でエアコンを後付けした場合、遮音性の低下は避けられないでしょう。エアコンを後付けする場合には、防音室の設計やリフォームを行っている専門業者に相談するようおすすめします。

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取材&協力
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株式会社 KOTOBUKI
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オーディオルーム・シアタールーム・演奏室などの防音・音響事業を手がける。

豊富な知識と経験を活かし、利用者のライフスタイル・用途に合わせた、数々の音響防音空間を実現。

防音室を作りたい場所の下見・見積もりまでは全国どこでも無料。ロック魂で駆けつけます。

               

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一級建築士&防音室を探求し続ける
庭瀬寿洋
                   

ハウスメーカーで現場監督経験を積んだあと、2000年に解体業を経営する家業に入り、ハウジング事業を立ち上げる。

学生の頃から趣味としていたドラム・オーディオを活かした音響防音事業をスタート。「止められない音はない。音響特性にこだわる音でお役に立つ」をモットーに、365日、防音室の探求に励む。

庭瀬寿洋

引用元:SUPER CEO
https://superceo.jp/indivi/focus/i60604-2