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広々としたスタジオのような防音室なら良いかもしれませんが、やや狭い趣味用の防音室の場合、湿気がたまりやすくなることに注意が必要です。ここでは、防音室における湿気対策の必要性、楽器に適した湿度の目安、防音室の湿気対策法などについて詳しく解説します。
防音室は、音が外に漏れ出ないように特殊な構造となっています。音が漏れ出ないということは、音以外のあらゆるものも漏れ出ないということ。例えば、防音室内に湿気が増えてくれば、音とともに湿気も防音室内にこもってしまいます。
湿気の多い部屋に起こるデメリットは、すでに多くの方がご存知の通り。カビが発生しやすくなり、カビの影響でアレルギー症状を起こすなど健康被害が生じる可能性があります。
また、湿気は楽器そのものにとっても大敵です。ピアノやギター、ベースなど、室内に置きっぱなしのあらゆる楽器に対し、湿気は本体の劣化や音の劣化を早めます。もとより、住宅そのものの寿命にも影響が及ぶ恐れがあることから、防音室の湿気対策は徹底して行なうべきでしょう。
楽器に少し詳しい方だと、「楽器の大敵は乾燥」であることをご存知だと思います。しかしながら、それは必ずしも「楽器は湿気のある場所に保管すべき」という意味ではありません。上述の通り、湿気の多い場所に楽器を置きっぱなしにしておくと、本体や音の劣化が進んでしまうことがあります。
例えばピアノであれば、響板が湿気を吸って膨張し、特に中音域の弦が引っ張られることがあります。弦に錆びが発生し、切れてしまうこともあると言われています。あるいはギターであれば、ネックが反ったりフレットが浮いたり金属が錆びたりなど、様々な不具合が生じることがあります。
これら楽器の不具合を抑えるための理想的な湿度は50%前後。人が快適に過ごせる湿度は40~60%と言われていますが、まさに人にとって快適と感じる湿度こそが、楽器にとっても快適な湿度となります。
ちなみに日本では、年間の平均湿度が60~70%ほど。楽器保全のためには、乾燥対策よりも、むしろ湿気対策のほうが重要です。
防音室の湿気対策として有効な方法を3つほどご紹介します。
まずは防音室の設置場所を工夫することが大切です。窓が近い場所や西日があたる場所は湿気が発生しやすいため、なるべく避けて設置するようにしましょう。
ただし、そうとは言え、家の奥の風通しの悪い場所に防音室を設置するのも考え物。「窓際でも家の奥でもない、適度に通気性の良い場所」に防音室を設置することが望ましいと考えてください。
湿気の発生しにくい場所に防音室を設置した上で、常に防音室の換気を意識することが大切です。床下や壁面などの通気口を塞がないようにするなど、常に良好な換気を維持するよう心掛けましょう。
定期的に防音室の外から中へ向けて、また中から外へ向けて、サーキュレーターや扇風機を運転させることも有効です。換気扇のない防音室の場合、事後的に換気扇を設置することも検討してみましょう。
防音室の中に除湿器を設置することも有効な方法です。一般に、梅雨の時期などに活躍する除湿器ですが、防音室は湿気がこもりやすい環境なので、季節に関わらず除湿器が活躍します。
近年では、除湿機能・加湿機能・空気清浄機能を全て搭載した製品も登場しています。防音室以外で利用することもできますので、購入を検討してみてはいかがでしょうか。
防音室の湿気対策について詳しく解説しました。今一度ポイントを整理してみましょう。
楽器には乾燥が大敵と言われていますが、高温多湿の日本では、むしろ湿気のほうが大敵です。湿気が多い防音室では換気も不十分なので、楽器演奏中の酸欠リスクもあります。防音室は狭い密室でもあるので、屋内に防音室を設置する際には、業者さんによく相談した上で有効な湿気対策や換気対策を講じるようにしましょう。
オーディオルーム・シアタールーム・演奏室などの防音・音響事業を手がける。
豊富な知識と経験を活かし、利用者のライフスタイル・用途に合わせた、数々の音響防音空間を実現。
防音室を作りたい場所の下見・見積もりまでは全国どこでも無料。ロック魂で駆けつけます。
ハウスメーカーで現場監督経験を積んだあと、2000年に解体業を経営する家業に入り、ハウジング事業を立ち上げる。
学生の頃から趣味としていたドラム・オーディオを活かした音響防音事業をスタート。「止められない音はない。音響特性にこだわる音でお役に立つ」をモットーに、365日、防音室の探求に励む。