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「防音ドア」とはどのようなものか

防音対策に気を使っている方は、壁や窓などを気にする方が非常に多いです、もちろん、そのような場所も防音に重要であることに間違いは無いのですが、意外に見落としがちなのが、ドアの対策です。音漏れを防ぐことを考えれば、ドアにこそ、防音対策をするべきです。今回は、防音ドアについて、詳しく解説していきます。

防音ドアとは

防音ドアについてお話する前に、まず、普通のドアだと、なぜ音が漏れやすいのかを解説します。まず。大きな要因としては、壁と比較して厚みがないことが言えるでしょう。

厚みが薄くなれば、当然遮音性も低くなります。また、壁に比べて隙間ができやすいという欠点もあります。ドアのつくりにもよりますが、基本的に開け閉めをする、軽量なものですから、隙間が出やすいのです。

ドアを開けたままだと80デシベルの音が記録されていましたが、ドアを閉めてても、60デシベルほどにしか下がらなかったという実験例があります。20デシベルの差はありますが、とても防音効果があるとは言えません。そこで、防音ドアの登場です。

防音ドアは、構造物の振動を抑制することができます。密閉性を高めて、外と中の空気を遮断することによって、空気の振動である音の伝播を遮断してしまうのです。そのため、防音ドアは、ゴムパッキンなどを使用して、隙間をなくしています。素材もさまざまに工夫されていますので、普通のドアよりも大きな防音効果が期待できます。

防音ドアの設置効果性能について

防音ドアには、簡易用の防音ドアと、しっかりと防音効果が時間出来る音楽用の防音ドアがあります。

では、防音ドアを設置した場合、どれくらいの効果が期待できるのでしょうか。音の種類や周波数によって違いはありますが、おおよそ、簡易用防音ドアではマイナス30デシベル程度、音楽用のしっかりとしたものであれば、マイナス55db程度は効果があると考えられます。これは、鉄道の高架橋の下にいるような騒音、100デシベルで考えると、簡易型防音ドアでは70デシベルで、まだ「うるさい」と感じるレベルです。

しかし、音楽用の防音ドアであれば、45デシベルで、「日常生活に好ましい」と言われるレベルまで下げることが出来るのです。ただ、導入するコストも異なりますから、自分がどのような目的で導入するかを考えて、慎重に検討することをおすすめします。

防音ドアはどうやって選ぶ?どんな防音ドアがいい?

防音ドアの種類にはいくつかカテゴリーがあります。この項では、防音ドアのドア本体とハンドルというパーツから見ていきたいと思います。まず、ドア本体の種類ですが、スチール製防音ドア・木製防音ドア・スチール製スライドドアといった種類があります。

このなかで、最も防音性が高いのは、 スチール製防音ドアになります。ドア自体が非常に重いため、振動を制御できて、2000Hzで55dBも減衰できるものもあります。一方で、木製ドアの場合は、デザイン性に優れているという長所はあるのですが、防音性は劣ります。

また、スライドドアは構造が複雑なため、100万円以上になるものもあり、非常に高価です。ハンドルの種類としては、ローラー締りハンドル・グレモンハンドルがあります。簡易型の防音ドアでは通常のハンドルが使用されますが、音楽用の防音ドアでは、 高い気密性を保てる、ローラー締りハンドルが採用されています。状況により、さらに気密性が求められる場合には、グレモンハンドルが採用されています。

防音ドアの種類

つづいては、防音ドア自体の種類です。木製のドアを中心にご紹介しましょう。まず、通常のドアにボトムレースという隙間が閉じるものを付けたものです。このタイプは1万円から2万円と安価ですが、20dB程度の減音効果です。

木製の防音ドアになると、20万円前後で30dB程度の効果になります。そして、高級木製ドアや2重木製ドアになると、価格は35万円から50万円程度となり、40dBから55dBと、大きな減音効果を発揮します。

防音ドアを設置する際の注意点

防音ドアを設置するときには、注意をしなければならない点があります。それは賃貸物件への設置です。この場合、大きな問題があります。いくら近所迷惑にならないようにするためとはいえ、賃貸物件はそれを所有している人がいます。

つまり、大家さんに許可を取らなければ、設置ができないことになります。また、許可が降りたとしても、まだ問題はあります。退去するときには、原状回復の原則に従い、元のドアに戻さなければならないので、非常に手間がかかることになります。

もし、部屋探しの時点から楽器練習の予定があるのなら、始めから防音されている部屋を借りたほうが手間を省けます。音大の近くなどには、そのような物件が多くあります。

防音ドアの規格や単位についてについて

防音ドアにはその性能によって、規格や単位が分けられています。最後にその数値について、ご紹介しましょう。

Dr値

日本工業規格(JIS)で規定されている、遮音性能を表す指針です。数値が大きくなるほど、遮音性能が高いことを表します。2000年にD値だったものが、現在はDr値に改定されています。目安として、例えばDr-30であれば、30dBの遮音が可能です。

T値

ドアやサッシなどの遮音性能を表す単位です。数値が大きくなるほど、遮音性能が高いことを表します。Dr値と同様に、T値も等級線がありますが、Dr等級線と比べて高音域の設定が少し低く設定されています。目安として、T-3は30dB、T-4は40dBの遮音が可能です。

at(防音ドア)

ドア枠に気密ゴム(ATゴム)が使われている「防音ドア」です。遮音性は高く、病院やホテルなどでも使用されています。また、デザイン性が高いことも人気の理由となっています。

sat(準防音ドア)

生活音レベルの騒音や雑音を遮断できる「準防音ドア」のことです。ピアノ演奏やカラオケなどでも多くの音を抑えます。

pat(完全防音ドア)

扉とドア枠の密着性を高めるためにステンレス性エッジが使われているハイグレードの「完全防音ドア」のことです。コンサートホールなどにも使用されます。

防音ドアとはどのようなものかについてのまとめ

防音ドアとは

防音ドアは、構造物の振動を抑制することができるドアです。密閉性を高めて、外と中の空気を遮断することによって、空気の振動である音の伝播を遮断します。

防音ドアの設置効果性能について

音の種類や周波数によって違いはありますが、おおよそ、簡易用防音ドアではマイナス30デシベル程度、音楽用のしっかりとしたものであれば、マイナス55デシベル程度は効果があると考えられます。

防音ドアを設置する際の注意点

賃貸物件への設置は、大家さんの許可が必要で、退去時には原状回復もしなければなりません。最初から音大近くなどで、防音設備のある部屋を探したほうが手間も省けるでしょう。

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株式会社 KOTOBUKI
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オーディオルーム・シアタールーム・演奏室などの防音・音響事業を手がける。

豊富な知識と経験を活かし、利用者のライフスタイル・用途に合わせた、数々の音響防音空間を実現。

防音室を作りたい場所の下見・見積もりまでは全国どこでも無料。ロック魂で駆けつけます。

               

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一級建築士&防音室を探求し続ける
庭瀬寿洋
                   

ハウスメーカーで現場監督経験を積んだあと、2000年に解体業を経営する家業に入り、ハウジング事業を立ち上げる。

学生の頃から趣味としていたドラム・オーディオを活かした音響防音事業をスタート。「止められない音はない。音響特性にこだわる音でお役に立つ」をモットーに、365日、防音室の探求に励む。

庭瀬寿洋

引用元:SUPER CEO
https://superceo.jp/indivi/focus/i60604-2