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ここでは、防音室の床の構造について解説します。
防音室を作る場合、すぐに頭に思い浮かぶ対策が壁の構造。マンションなどであれば、上階に音が漏れないよう天井の構造も気になります。しかしもう一つ、忘れてはならない箇所が床。階下への音漏れを防ぐため、床の防音対策もしっかりと行っておきましょう。
楽器の中でも、特に床面に接した状態で演奏する楽器(ピアノ、ドラムなど)は、音が振動となって床面に広がります。広がった音が階下の天井へと伝わってしまうため、床面に接する楽器を演奏する場合には、壁や天井よりもしっかりと防音・防振対策を行う必要があります。
以下、一般的な床の作りと防音室の床の作りの違いを確認してみましょう。
床は、複数の材料を重ねるように作られています。
一般的な住宅の床の場合、最も下の部分にある材料がコンクリート。基礎とも呼ばれる部分です。このコンクリートの基礎の上に、根太(ねだ)や大引きという下地材が並べられます。大引きと大引きの間には、通常、発泡プラスチック系の断熱材が設置されます。その上に構造用合板(捨て張り合板、下地合板)やフローリングを敷けば、一般的な住宅の床は完成です。床暖房を採用する場合には、構造用合板とフローリングの間に暖房設備を設置します。
単に生活するためだけの床であれば、これだけでも十分な構造です。ただし、防音室の床の場合には、これらの構造だけでは不十分。階下に音や振動が伝わってしまいます。
説明した住宅用の床は複数の材料が重ねて作られますが、一般にこれらの材料はセットとして使われるため、床としては「一重構造」の床と解釈できます。これに対して防音室の床は、いわば「二重構造」。住宅用の床に上に、通常は設置しない別の材料を重ねて防音室の床を作ります。防音等を目的に作られた「二重構造」の床のことを、一般に「二重床」と言います。
防音を目的とした「二重床」の作り方には複数ありますが、多くの場合は、新藤ゴムや石膏ボード、遮音シート等を用いた作り方が採用されます。住宅用の構造用合板とフローリングの間に、防振ゴム・吸音材→石膏ボード→遮音シート→石膏ボードという順で重ねる、などの方法です。
一般住宅用の「一重構造」の床の上に、さらに複数の素材を重ねるようにして作るのが防音室用の「二重構造」の床。以下、「二重構造」の部分に用いられている素材の主な種類について見ておきましょう。
防音ゴムとは、振動を防ぐことを目的としたゴムのこと。楽器から床に伝わった振動をゴム本体が吸収し、振動の広がりを抑えます。
石膏ボードとは、石膏を主成分にした建築材料のこと。遮音効果や断熱効果が高く、なおかつ安価でもあることから、建築素材として様々な部分に用いられています。当然、厚ければ厚いほど遮音効果は高くなります。
防音室の床の石膏ボードは、通常、2枚使用します。遮音シート等の上と下に1枚ずつ設置する要領です。
遮音シートとは、その名の通り、遮音を目的としたシート状の素材のこと。石膏ボードと石膏ボードの間に挟むようにして設置すれば、遮音効果が高くなります。なお遮音シートの遮音性の高さは、素材の厚みよりも素材の密度に左右されます。
防音室の床について、今一度ポイントを確認しておきましょう。
やや築年数の長いマンションの場合、上階からの生活音は結構気になるものです。防音対策が万全な築浅のマンションであっても、さすがに楽器の生演奏をした場合には、階下への音漏れや振動漏れは避けられないでしょう。
集合住宅等で楽器を演奏する場合には、壁や天井とあわせ、床の防音対策も必須と考えておくべきでしょう。
オーディオルーム・シアタールーム・演奏室などの防音・音響事業を手がける。
豊富な知識と経験を活かし、利用者のライフスタイル・用途に合わせた、数々の音響防音空間を実現。
防音室を作りたい場所の下見・見積もりまでは全国どこでも無料。ロック魂で駆けつけます。
ハウスメーカーで現場監督経験を積んだあと、2000年に解体業を経営する家業に入り、ハウジング事業を立ち上げる。
学生の頃から趣味としていたドラム・オーディオを活かした音響防音事業をスタート。「止められない音はない。音響特性にこだわる音でお役に立つ」をモットーに、365日、防音室の探求に励む。