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このページでは、非常に高い防音性能が求められる劇場やコンサートホール、会館の防音工事についてまとめています。どのような音響条件が求められるのか、またどのように防音対策を行っているのかといった点について紹介していますので、参考にしてみてください。
まず、劇場やコンサートホール、会館では内部の演奏などが外部に漏れて騒音とならないようにすることが求められるとともに、外部の音が中に入ってこないように対策を行う必要があります。これは静かなホールの中に外からの音が入ってくると、演奏や鑑賞の邪魔になってしまうためです。
外を走る車はもちろん、建物の中にいる人の声などが入ってこないように対策を行う必要がありますし、建物のすぐそばを鉄道が走っているという可能性もあります。このような環境でも外からの騒音が入ってこないようにすること、さらに車や電車などの走行に伴う振動を遮断するための設備も求められます。
ちなみに、防音性能は「D値」と呼ばれる等級で評価されますが、ホールなどでは「D-65」から「D-75」といった値が目標値となっています。ただし、ホールの使用時間や隣接する部屋、近隣の状況などによって遮音性能を設計していくことになりますが、予算と性能のバランスを考慮し、過度な設計とならないように注意することも大切です。
音楽の演奏などを楽しむ空間では、音の響きも重要な要素となってきます。ほどよく響く空間を実現できれば、音にさらなる深みや豊かさなどを加えてくれる反面、響きすぎてしまう場合には演奏の邪魔になります。また、響きが少ない場合には、聴いている側が違和感を感じてしまい、快適な空間とはいえなくなってしまうことも。
劇場やコンサートホール、会館などにおいては、このような「残響時間」も求められる条件となってきます。この残響時間は、音楽のジャンルなどによって異なる点が難しいところです。例えば、クラシックなどではやや長めの残響時間、歌が入るロックやポップスにおいては短めに設定されますので、専門の会場であれば比較的設計がしやすいでしょう。
ただし、多くの場合ではさまざまなジャンルの演奏が行われることが多いはずです。そのため多目的ホールにおいては用途に合わせて残響時間を調整できるように、可変残響装置や吸音パネルなどを活用することがポイントとなってくるでしょう。
また、上記で説明した点に加えて、快適な音空間のためには室内の音響設計の検討も重要となってきます。音質や音色を調整し、響きの質を最適に調整することによって快適な音空間に繋げられます。
ここでのポイントとしては、舞台から発せられた音を、座席の後ろの方まで均一に届くように設計すること。そのためにも最適な反射面を設けることが求められます。加えて、舞台から離れた位置にある反射面から遅れてくる反射音によって起こるエコー障害を防止するための対策も必要とされます。
また、ホール内での静けさを保つための対策も求められます。無音に近い静けさを保つことは難しいため、よく考える必要があるとされています。静けさを妨げるものとしては、例えばどの設備にもある空調設備の音などが挙げられるでしょう。そのためにも空調機械室を設けて空調設備の音を低減することが求められるケースもあります。
劇場やコンサートホール、会館においては、非常にレベルの高い防音(遮音)対策が必要となってくることが特徴です。
防音性を上げるためにまず考えられるのが、壁や床の部材の間に空気層を取り入れる二重の壁(床)を設けるという方法です。ただし、この方法のみでは空気を伝わってくる空気伝播音への対策はできますが、壁や天井、床を伝わってくる個体伝播音については対策が不十分であるため、物体の振動を抑える防振構造を設けることが必要となってきます。 振動への対策については2つの方法があります。まず、建物と敷地の間に防振構造を設ける方法、または建物とホールの間に防振構造を設ける方法があり、どちらかを選択することになります。ただ、防振性能を高めることを目指す場合には片方ではなく両方の方法を用いることになります。
防振材としては防振ゴムを用いて床や天井を浮かせる構造とすることが多くなっていますが、最近では高性能の防振材(リングマウントやボールダンパーなど)を使用するケースもあるようです。
劇場やコンサートホール、会館では、非常に高い防音対策が求められるという点が特徴です。さまざまな音響条件が求められることから、その分設計についても大掛かりとなってきます。そのため、信頼できる専門家に相談した上で、対象となる劇場・コンサートホール・会館に適した防音設計工事を行うようにしましょう。
オーディオルーム・シアタールーム・演奏室などの防音・音響事業を手がける。
豊富な知識と経験を活かし、利用者のライフスタイル・用途に合わせた、数々の音響防音空間を実現。
防音室を作りたい場所の下見・見積もりまでは全国どこでも無料。ロック魂で駆けつけます。
ハウスメーカーで現場監督経験を積んだあと、2000年に解体業を経営する家業に入り、ハウジング事業を立ち上げる。
学生の頃から趣味としていたドラム・オーディオを活かした音響防音事業をスタート。「止められない音はない。音響特性にこだわる音でお役に立つ」をモットーに、365日、防音室の探求に励む。