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防音室の寒さ対策について

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一般に防音室は気密性が高く、また壁や床も厚い素材で構成されているので、室外の温度の影響を受けにくいとされています。そのため、室外が寒かったとしても、防音室の中は温かい傾向にあります。

ただし、それはあくまでも防音室一般の傾向です。中には換気用ファンの構造や室内の広さなどが理由で、室外の寒さの影響を受けやすい防音室もありますので、必要に応じて寒さ対策を行うようおすすめします。

防音室は楽器に最適な温度と湿度を保つことが
重要

あまりにも寒い防音室では、楽器の練習もままなりません。演奏技術の向上のために練習するのでしたら、しっかりと寒さ対策を行うことが理想です。以下の「温度」と「湿度」に注意して、防音室の寒さ対策を行いましょう。

温度

暖房を長時間稼働させていると防音室の中が極端に乾燥し、楽器の部品の緩みや木材の反り・割れ、場合によっては雑音・共鳴・調律変化を起こすことがあります。特にアコースティックピアノは要注意です。

なお、ピアノやドラムなどに最適な温度は10~20℃とされています。

湿度

乾燥を避けるため、暖房とあわせて加湿器を稼働させると、防音室内が高温多湿となり、楽器の木材部品の変形や金属部品のサビが生じる恐れがあります。石油ストーブやガスストーブも水蒸気を発生させますので、防音室内での使用はおすすめできません。

なお、ピアノやドラムなどに最適な湿度は35~65%とされています。

気温によって音の伝わり方も変化する

気温は、音の伝わり方にも影響を与えます。防音室等で楽器を演奏する場合には、気温と音との関係を理解し、適切に温度管理を行う必要があるでしょう。

音は、気温が高いほど早く伝わり、気温が低いほど遅く伝わります。また、気温の高いほうから低いほうに引っ張られる傾向もあるため、温度管理によって聴き手への音の届き方が異なります。暑い夏よりも寒い冬のほうが、遠くの音がよく聞こえるような気がしますが、これは気のせいではなく、温度が音の伝わり方に影響を与える際に起こる物理的な現象です。

音響を重視して楽器を演奏する場合やレコーティングを行う場合には、音と温度の関係をよく理解した上で、目的に応じた温度管理を行うようにしましょう。

防音室での暖房・電気ストーブの取り扱いは
要注意

防音室の寒さ対策として、石油ファンヒーターやガスストーブ、電気ストーブの注意点を確認しておきましょう。

石油ストーブの注意点

閉め切った防音室内で石油ストーブを使用した場合、一酸化炭素中毒になるリスクがあります。一酸化炭素中毒を避けるためには、こまめな換気が必要となりますが、たびたび楽器の演奏を中断して換気していては練習にならないでしょう。もとより、換気のために扉を解放すると楽器の音は外に漏れるため、防音室としての意味をなしません。

結論としては、防音室内での石油ストーブの使用は厳禁となります。

ガスストーブの注意点

ガスストーブも石油ストーブと同様に一酸化炭素中毒のリスクがあるため、防音室内での使用は厳禁です。

電気ストーブの注意点

電気ストーブは放射熱で周囲を暖めるシステムですので、室内の空気よりも、まずは壁や床、近くにある楽器などが先に温められます。気温自体が上がるまでに楽器が熱くなってしまうことがありますので、電気ストーブはおすすめできません。仮に電気ストーブを使用するにしても、エレキギターやアンプなどの電気機材とタコ足配線にならないよう注意が必要です。

また、基本中の基本となりますが、電気ストーブの使用後、スイッチを切り忘れることのないよう要注意。スイッチを切った上で、かならずコンセントを抜くようにしましょう。

防音室にエアコンを後付けできるのか?

防音室の寒さ対策としてエアコンを後付けすることは可能ですが、エアコンを設置する際には防音室の壁に穴を開ける必要があるため、遮音性が低下する可能性があります。一般的な電器店のやり方でエアコンを増設すれば、音漏れの多い防音室になってしまうことでしょう。

遮音性を維持したままエアコンを設置するためには、ダクトを通す穴の開け方、ダクト周りの処理など、専門性の高い施工が必要です。施工を依頼する場合には、防音室の設計やリフォームに強い業者を選ぶようにしましょう。

防音室を作る際は事前の寒さ対策を

防音室における寒さ対策について、その重要性やストーブを導入する際の注意点、エアコンの後付けなどについてご紹介しました。

すでに防音室をお持ちの方で、かつ冬を経験している方においては、何らかの寒さ対策を行っているものと思われます。現状の寒さ対策で問題がなければ良いのですが、くれぐれも一酸化炭素中毒にはお気をつけください。

また、これから防音室を新設する予定の方については、遮音性だけではなく寒さ対策も念頭において防音室の設計を行うようにしましょう。

遮音性と防寒性が両立した防音室を設計・施工するには、専門的な技術や経験が必要となります。寒さを忘れて演奏に集中するためにも、防音室を設ける時には専門の業者に設計・施工を依頼するようおすすめします。

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オーディオルーム・シアタールーム・演奏室などの防音・音響事業を手がける。

豊富な知識と経験を活かし、利用者のライフスタイル・用途に合わせた、数々の音響防音空間を実現。

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一級建築士&防音室を探求し続ける
庭瀬寿洋
                   

ハウスメーカーで現場監督経験を積んだあと、2000年に解体業を経営する家業に入り、ハウジング事業を立ち上げる。

学生の頃から趣味としていたドラム・オーディオを活かした音響防音事業をスタート。「止められない音はない。音響特性にこだわる音でお役に立つ」をモットーに、365日、防音室の探求に励む。

庭瀬寿洋

引用元:SUPER CEO
https://superceo.jp/indivi/focus/i60604-2